高山陽介 TAKAYAMA Yousuke 「彼女のウィンク。それをみた私。」

ギャラリー・ハシモトでは、space355-101にて2/22より高山陽介展がスタートいたします。ご高覧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

高山陽介は多摩美術大学在学中より、木を素材として制作を続けてきました。丁寧に精巧に作られた複数の具象木彫作品を一つのインスタレーションとして設置、舞台装置のような形での発表から、陶磁器のようにスムースな表面と不可解な文様を持つ木彫の固体へと集約され、そして今、荒々しい削り跡、磨き上げられた部分、幾重にも重ねられ、したたる塗料など、高山が深く手をかけた痕跡を明らかに残した物体が現れます。これらは作者である高山との強い結びつきの中で見るものを拒絶しながら、そのボンド(bond)に酔い、豊かな表情を我々に向けています。いわゆる具象木彫の放つうれいを帯びた共有感とはかけ離れ、見るものは、作者とその創造物だけが共有できる幸せな「気配」を垣間見ることしか許されないのです。高山陽介にとっての、木彫、そして彫刻のあり方をご鑑賞ください。

高山陽介
1980年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了
2004年NYイセカルチュラルファンデーションサマーフェスティバル
2007年アジア青年作家プロジェクト展(ヘイリー芸術村・韓国)
2010年群馬青年ビエンナーレ入賞
ギャラリー・ハシモトでの3回目の個展となります。