YAMAMOTO Tadasu 山本 糾 Jardin

1980年代より、日本の写真を代表する一人として国際的なグループ展にも参加してきた山本糾。精力的に活動を続け、昨夏初のNYの個展では、そのテクニックと硬質な画面とで改めてその存在を強く印象付けました。

撮りたいものを撮るのではなく、あくまでも写真の特性、可能性を追求するために対象物を選ぶ山本。2003年発表のモノクロで皇居の濠を撮影したシリーズ"Jardin"に続き、本展では、日本各地に点在する古墳をカラーで撮影した新作を発表いたします。

人々の立ち入りを禁じ、人工的な水に隔たれ、不自然な植生が繁茂し続ける土地の中にある「死」。
心理的な隔絶と現実にそこにある距離。
表面的な意味を削ぎ落とし、対象物の本質を硬くあくまでも即物的に切り取る山本の写真の中で、古墳はどのように表現され得るのか。

是非ご高覧いただけますよう宜しくお願い申し上げます。